労基法上、労働時間とは、使用者の指揮監督の下にある時間をいうとしています(労基法コンメンタール)。明示の指示だけでなく黙示の指示も含みます。
自宅から会社への移動する際の通勤時間については、一般的には労働時間に当たらないとされていますが、会社などに集合し社用車に乗り合いで作業現場へ向かう場合はどうでしょうか。行政解釈としては、労働時間該当性の判断は個別具体的に行う必要があるとしつつも、以下が示されています。
先に、移動時間について、直行直帰の場合や、移動中に業務の指示を受けず、業務に従事することもなく、移動手段の指示も受けず、自由な利用が保障されているような場合には、労働時間に当たらないと解されているとしています。
そのうえで、労働時間に該当しないケースとして、工事現場への直行直帰が認められているなかで、労働者間で任意に移動手段の1つとして、集合時刻や運転者を決めて社用車に乗り合って移動することとしていた場合を挙げています。
一方、該当するのは、①移動手段として、社用車に乗り合いで現場に向かうこと等が指示されている場合、②現場に移動する前に会社に集合し資材の積込みをしたり、現場から会社に戻った後に道具清掃、資材整理をするよう指示されていたりする場合、③移動の車中に使用者や上司も同乗し、打合せが行われている場合としています。
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